この記事はこのような疑問を持っている方に向けて書いています。
地頭力を鍛えるためにフェルミ推定の問題を日々解いているのですが、今回は「ぬいぐるみの市場規模」という問題を解いてみたので、今回はその解くまでの過程と、実際のぬいぐるみの市場規模を解説していきます。
フェルミ推定の推定方法や、実際の答え合わせとして活用してみてください!
(実際の答えのみを知りたい方は、目次の「現実性検証」をクリックしてください!)
フェルミ推定の5つのステップ
フェルミ推定は下記5つのステップで解いていきます。それぞれステップ毎に解説していきます。
STEP | 詳細 | |
1 | 前提条件 | 解く問題の前提条件を定義する |
2 | アプローチ設定 | どういったアプローチ方法で数値を推定していくか、基本的な計算式を定義する |
3 | モデル化 | 計算の精度を上げるために、アプローチ設定で定義した計算式を分解する |
4 | 計算実行 | モデル化で分解した計算式で計算をする |
5 | 現実性検証 | 実際の数値と合っているか確認する |
そもそもフェルミ推定のやり方がわからないという方は下記の記事からご覧ください!
前提条件
「ぬいぐるみの市場規模」を今回は、
- 「日本国内のぬいぐるみの年間の売上高」
として定義し計算しました。
アプローチ設定
次にどういったアプローチで計算するか、基本的な式を作ります。
市場規模といった売上高は、「注文数 × 商品単価」で求めることができます。
そのため、日本国内のぬいぐるみの年間の売上高は
- 日本国内のぬいぐるみの注文数/年 × ぬいぐるみの単価
で求めることができますね。
この計算式をベースにフェルミ推定を進めていきましょう。
モデル化
アプローチ設定で定義した計算式を、計算の精度を上げるために分解していきましょう。
日本国内のぬいぐるみの注文数/年
ぬいぐるみの注文数をもう少し分解していきましょう。
ぬいぐるみの注文数は、日本の人口のうち、どのぐらいの割合の人が、どれぐらいの個数を購入しているか、で求めることができるので、下記のようにさらに分解できました。
日本の人口 × ぬいぐるみを購入する割合 × ぬいぐるみの購入数/年
また、ぬいぐるみは女の子の方が買う確率は高く、年齢が上がるにつれて買わなくなっていく商品のため、性別や年代によって購入率や購入数が変わってくると考えられます。
そのため、今回は「性別 × 年齢」で購入率や購入数を推定していこうと思います。
推定した結果が下記の通りで、日本国内のぬいぐるみの注文数/年は「1,500万」と推定できました。
5歳未満 | 5~10歳 | 10代 | 20~30代 | 40代~ | |
男性 |
|||||
人口 | 300万 | 300万 | 600万 | 1,800万 | 6,000万 |
購入率 | 40% | 30% | 5% | 0% | 0% |
購入数/人 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 |
注文数 | 240万 | 90万 | 0 | 0 | 0 |
女性 |
|||||
人口 | 300万 | 300万 | 600万 | 1,800万 | 6,000万 |
購入率 | 80% | 40% | 20% | 1% | 0% |
購入数/人 | 3 | 2 | 1 | 5 | 0 |
注文数 | 720万 | 240万 | 120万 | 90万 | 0 |
※ロジック
- 5歳未満~10代:最もぬいぐるみを買う確率が高い層。女の子の購入率を80%、クリスマス、誕生日、その他1日で3回くらい購入する機会があるだろうと推定。男の子は女の子を基準に低めに推定。年齢が上がるにつれて購入率と購入数が下がるとし、そのほかの数字を推定。
- 20~30歳:アニメなどのぬいぐるみを買う層が一定数いると仮定し、数字を推定。
ぬいぐるみの商品単価
大小様々あり、それにより単価も変わってくると思いますが、1,000〜3,000円だろうと仮定し、ここでは商品単価を2,000円と定義します。
計算実行
モデル化で定義した数字を全て掛け合わせると、
日本国内のぬいぐるみの注文数/年 × ぬいぐるみの単価
= 1,500万 × 2,000円
= 300億円
ぬいぐるみの市場規模は「300億円」と推定できました。
現実性検証
今回推定した数字を、実際の数字と比べて検証してみましょう。
ぬいぐるみの市場規模 | |
推定値 | 300億円 |
実際の値 | 279億円 |
2021年度国内玩具市場規模によると、ぬいぐるみの市場規模は2020年度で約279億円でした。
今回推定した数値は実際の値とニアリーイコールの結果でした。
また、満6歳までの子供がいる家庭を対象にした調査によると、8割以上が1年間に新たにおもちゃ・知育玩具を購入、1人当たりの年間購入個数は推計4.2個とのことです。
4.2個全てぬいぐるみというわけではないと思うので、5歳未満の購入数/人を2~3個、購入率を40〜80%にしたのは筋が良かったことがわかりました。
5歳未満 | 5~10歳 | 10代 | 20~30代 | 40代~ | |
男性 |
|||||
人口 | 300万 | 300万 | 600万 | 1,800万 | 6,000万 |
購入率 | 40% | 30% | 5% | 0% | 0% |
購入数/人 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 |
注文数 | 240万 | 90万 | 0 | 0 | 0 |
女性 |
|||||
人口 | 300万 | 300万 | 600万 | 1,800万 | 6,000万 |
購入率 | 80% | 40% | 20% | 1% | 0% |
購入数/人 | 3 | 2 | 1 | 5 | 0 |
注文数 | 720万 | 240万 | 120万 | 90万 | 0 |
余談ですが、2020年と2021年のぬいぐるみの市場規模を比べると、前年比106%で伸びており、これは「スーパーマリオ」、「ポケットモンスター」といった任天堂キャラクターや、「ミッフィー」、「スヌーピー」、「BT21」などのキャラクターぬいぐるみの売れ行きが良いことが要因みたいです。
最近アニメ映画なども大人気なので、こういったキャラクタービジネスは今後も根強く伸びていきそうですね。
いかがだったでしょうか。
市場規模は「注文数×単価」をベースに分解していけば簡単に推定することができるので、ぜひ他の問題にも挑戦して、地頭力をつけていきましょう!
また、他にもフェルミ推定の例題と解答一覧をまとめておりますので、他の問題に挑戦したい方はぜひ下記のURLから問題を探してみてください!