この記事はこのような疑問を持っている方に向けて書いています。
地頭力を鍛えるためにフェルミ推定の問題を日々解いているのですが、今回は「渋谷駅の1日の利用者数」という問題を解いてみたので、今回はその解くまでの過程と、実際の渋谷駅の1日の利用者数を解説していきます。
フェルミ推定の推定方法や、実際の答え合わせとして活用してみてください!
(実際の答えのみを知りたい方は、目次の「現実性検証」をクリックしてください!)
目次
フェルミ推定の5つのステップ
フェルミ推定は下記5つのステップで解いていきます。それぞれステップ毎に解説していきます。
STEP | 詳細 | |
1 | 前提条件 | 解く問題の前提条件を定義する |
2 | アプローチ設定 | どういったアプローチ方法で数値を推定していくか、基本的な計算式を定義する |
3 | モデル化 | 計算の精度を上げるために、アプローチ設定で定義した計算式を分解する |
4 | 計算実行 | モデル化で分解した計算式で計算をする |
5 | 現実性検証 | 実際の数値と合っているか確認する |
そもそもフェルミ推定のやり方がわからないという方は下記の記事からご覧ください!
前提条件
「渋谷駅の1日の利用者数」を今回は、
- 「渋谷駅にある全路線の1日の利用者数」
として定義し計算しました。
アプローチ設定
次にどういったアプローチで計算するか、基本的な式を作ります。
渋谷駅の利用者数を求めるために、渋谷駅に来る電車がどれぐらいあり、その電車にどれぐらい人が乗っていて、その内どれぐらいの人数が渋谷駅を降りるのかで求めることができそうです。
そのため
- 渋谷駅に来る電車の数 × 電車に乗っている人の数 × 渋谷駅で降りる割合
で渋谷駅の利用者数を調べていきましょう。
モデル化
ここからはアプローチ設定で定義した計算式を、計算の精度を上げるために分解していきます。
渋谷駅に来る電車の数
渋谷駅に来る電車の数は、渋谷駅に通っている路線の数と、1路線あたりの運行本数を掛け合わせることで求めることができます。
渋谷駅の路線の数は田園都市線(半蔵門線直通)、山手線、埼京線、東急線、銀座線、副都心線の6本くらいなので「6」。
1路線あたりの運行本数は、都内なので4分に1本は来るだろう(1時間に15本)、運行時間は5時半〜0時半の14時間、かつ上り降りも走っていることから、渋谷駅に来る電車の数は、
6(渋谷駅の路線の数) × 15(1時間あたりの本数)× 14(5時半~0時半の時間)× 2(上り降り)= 2,520
として、2,520本と求めることができました。
電車に乗ってる人の数
電車に乗ってる人の数は、「1車両の平均乗車人数 × 車両数」で求めることができます。
車両数は経験則から「10」として、1車両の平均乗車人数は何人でしょうか。
実際の車両のイメージ図を書いて、
- 座席にはどれぐらいの人が座れるか
- 空いているスペースにはどれぐらいの人が入れるか
を数えたところ、座席数は44人、他の場所は89人として、1車両の平均乗車人数は133人とすることができました。
そのため車両が10個あるとして、電車に乗ってる人の数は1,330人ですね。
渋谷駅で降りる割合
大半の人が渋谷駅に降りていることから、半分の人は降りると仮定し50%としました。
計算実行
モデル化で定義した数字で計算すると、合計で「166.3万人」と推定できました。
渋谷駅に来る電車の数 × 電車に乗っている人の数 × 渋谷駅で降りる割合
= 2,502 × 1,330 × 50%
= 166.3万人
現実性検証
今回推定した数字を、実際の数字と比べて検証してみましょう。
渋谷駅の乗降者数 | |
推定値 | 166.3万人 |
実際の値 | 330万人 |
渋谷駅周辺地域交通戦略によると、平成29年時点で渋谷駅の1日当たりの乗降者数は約330万人と記載されており、今回推定した数字は実際の数値と半分の結果となりました。
理由としては全体的に数字を低く見積もってしまったのがありますが、電車に乗ってる人の数は混雑時は定員の150~200%の人数はいるので、そこの考慮漏れが1番影響が大きかったようです。
1路線あたりの1日の電車の数 | 路線数 | 電車に乗ってる人の数 | |
推定値 | 420 | 6 | 1,330人 |
実際の値 | 約500 | 8 | 1,500~2,500人 |
いかがだったでしょうか。
駅の乗降者数もよく求められる問題なので、解き方をマスターしていきましょう!
また、他にもフェルミ推定の例題と解答一覧をまとめておりますので、他の問題に挑戦したい方はぜひ下記のURLから問題を探してみてください!