この記事はこのような疑問を持っている方に向けて書いています。
地頭力を鍛えるためにフェルミ推定の問題を日々解いているのですが、今回は沖縄に旅行したこともあり「沖縄県の年間の観光客数は何人?」という問題を作り解いてみたので、今回はその解くまでの過程と、実際の沖縄県の観光客数を解説していきます。
フェルミ推定の推定方法や、実際の答え合わせとして活用してみてください!
(実際の答えのみを知りたい方は、目次の「現実性検証」をクリックしてください!)
目次
フェルミ推定の5つのステップ
フェルミ推定は下記5つのステップで解いていきます。それぞれステップ毎に解説していきます。
STEP | 詳細 | |
1 | 前提条件 | 解く問題の前提条件を定義する |
2 | アプローチ設定 | どういったアプローチ方法で数値を推定していくか、基本的な計算式を定義する |
3 | モデル化 | 計算の精度を上げるために、アプローチ設定で定義した計算式を分解する |
4 | 計算実行 | モデル化で分解した計算式で計算をする |
5 | 現実性検証 | 実際の数値と合っているか確認する |
そもそもフェルミ推定のやり方がわからないという方は下記の記事からご覧ください!
前提条件
沖縄県の観光客数は、
- 日本国内からの観光客数
- 海外からの観光客数
の大きく2つに分けられますが、今回は日本国内の観光客数を計算しました。
なお、観光客数はコロナ以前の時の数とします。
アプローチ設定
次にどういったアプローチで計算するか、基本的な式を作ります。
計算式をどう作るか結構悩んだのですが、日本人の世帯ベースの旅行回数を求め、その旅行の中でどれぐらいの割合で沖縄を選択しているかを掛ければ、日本国内の観光客数も割り出せるのではないかと思い、計算式を作ってみました。
その計算式が下記です。
- 日本の世帯数 × 平均世帯人数 × 年間の旅行回数 × 沖縄に旅行する割合
この計算式をベースにフェルミ推定を進めていきましょう。
モデル化
アプローチ設定で定義した計算式を、計算の精度を上げるために分解していきましょう。
日本の世帯数
日本の世帯数は「人口÷1世帯当たりの人数」で求めることができます。
1世帯あたりの人数は都市部と田舎で変わってきそうなので、
- 都市部:6,000万人 ÷ 2人 = 3,000世帯
- 田舎:6,000万人 ÷ 3人 = 2,000世帯
として、合計5,000万世帯と推定できました。
年間の旅行回数
年間の旅行回数について、子供のいる世帯は旅行回数が多く、年をとるにつれ旅行回数が少なくなるのではないかと考えられます。
そこで世帯別に旅行回数を下記のように定義してみました。
旅行回数/年 | ロジック | |
20代 | 3回 | 未婚の社会人が多い。正月、GW、シルバーウィークの3回旅行すると仮定。 |
30代 | 4回 | 子供が多いため、正月、GW、夏休み、シルバーウィークの4回旅行すると仮定。 |
40代 | 4回 | 同上。 |
50代 | 3回 | 子供が独立。20代と同じ年3回と仮定。 |
60代 | 2回 | 旅行する頻度も減り、2回。 |
70代 | 1回 | 旅行する頻度も減り、1回。 |
沖縄に旅行する割合
ここが非常に悩ましいポイントでしたが、旅行先を選ぶ上で、選択肢は47都道府県+海外ということで、シンプルに考えると48個選択肢があります。
どの都道府県も均等に旅行先に選べれていると仮定すると、沖縄が旅行先に選ばれる確率は約2%になるので、沖縄に旅行する割合は2%としました。
数値代入
上記下に、下の表に整理し数字も入れてみました。(20代は沖縄を選ぶ確率が高く、70代の世帯は移動距離も長くなり沖縄を選ぶ確率は低くなるとしています。)
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | |
世帯数 | 750万 | 750万 | 1,000万 | 1,000万 | 750万 | 750万 |
平均世帯人数 | 2人 | 3人 | 3人 | 3人 | 2人 | 2人 |
旅行回数/年 | 3回 | 4回 | 4回 | 3回 | 2回 | 1回 |
沖縄に旅行する割合 | 3% | 2% | 2% | 2% | 2% | 1% |
計算実行
モデル化で定義した数字を全て掛け合わせると、「810万人」と推定できました。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | |
世帯数 | 750万 | 750万 | 1,000万 | 1,000万 | 750万 | 750万 |
平均世帯人数 | 2人 | 3人 | 3人 | 3人 | 2人 | 2人 |
旅行回数/年 | 3回 | 4回 | 4回 | 3回 | 2回 | 1回 |
沖縄に旅行する割合 | 3% | 2% | 2% | 2% | 2% | 1% |
沖縄への旅行回数 | 135万 | 180万人 | 240万 | 180万 | 60万 | 15万 |
現実性検証
今回推定した数字を、実際の数字と比べて検証してみましょう。
沖縄の年間観光客数 | |
推定値 | 810万人 |
実際の値 | 697.8万人 |
沖縄県入域観光客統計概況によると、令和元年の国内の沖縄の年間観光客数は697.8万人であり、100万人の誤差はありますが推定した値はまあまあ良い筋でした。
いかがだったでしょうか。
自分で問題を作り、推定して答え合わせをするといったことも地頭力を鍛える上で良いトレーニングになるのでぜひやってみましょう!
また、他にもフェルミ推定の例題と解答一覧をまとめておりますので、他の問題に挑戦したい方はぜひ下記のURLから問題を探してみてください!