この記事はこのような疑問を持っている方に向けて書いています。
地頭力を鍛えるためにフェルミ推定の問題を日々解いているのですが、今回は「電柱の数」という問題を解いてみたので、今回はその解くまでの過程と、実際の電柱の数を解説していきます。
フェルミ推定の推定方法や、実際の答え合わせとして活用してみてください!
(実際の答えのみを知りたい方は、目次の「現実性検証」をクリックしてください!)
フェルミ推定の5つのステップ
フェルミ推定は下記5つのステップで解いていきます。それぞれステップ毎に解説していきます。
STEP | 詳細 | |
1 | 前提条件 | 解く問題の前提条件を定義する |
2 | アプローチ設定 | どういったアプローチ方法で数値を推定していくか、基本的な計算式を定義する |
3 | モデル化 | 計算の精度を上げるために、アプローチ設定で定義した計算式を分解する |
4 | 計算実行 | モデル化で分解した計算式で計算をする |
5 | 現実性検証 | 実際の数値と合っているか確認する |
そもそもフェルミ推定のやり方がわからないという方は下記の記事からご覧ください!
前提条件
「電柱の数」を今回は、
- 「日本全国にある電柱の数(一般的な電線をつなぐ電柱)」
として定義し計算しました。
アプローチ設定
次にどういったアプローチで計算するか、基本的な式を作ります。
電柱は生活に欠かせないインフラであり、日本全体で一定の距離を基に設置されていると推定できるため、
- 日本の総面積 ÷ 電柱1本当たりの面積
で電柱の数を求めていきましょう。
モデル化
アプローチ設定で定義した計算式を、計算の精度を上げるために分解していきましょう。
電柱は日本全体で一定の距離を基に設置されていると推定できるものの、流石に山林地帯といった人が住めないような場所には電柱が設置されているとは思いません。
また、都市部と田舎といった場所的な観点でも電柱の数が変わってくることが想定されます。
そのためここでは日本の面積を都市部、田舎、山林地帯に分解して、それぞれの面積と電柱1つあたりの面積を推定していきましょう。
面積
日本の総面積は38万km2です。(※フェルミ推定する上でのベース知識)
このうち日本全国の3分の2が山林地帯、残りの面積のうち、都市部と田舎が半々で存在すると仮定すると、それぞれ下記のような面積になります。
- 都市部:6.5万km2
- 田舎:6.5万km2
- 山林地帯:25万km2
電柱1本当たりの面積
経験則から、電柱は都市部は50mおきに1箇所、田舎は100m当たりに1箇所、山林地帯は0箇所と仮定すると、電柱1本当たりの面積は下記の通りです。
- 都市部:0.0025km2(50m×50m=2,500m2)
- 田舎:0.01km2(100m×100m=10,000m2)
- 山林地帯:0
計算実行
モデル化で定義した数字を全て掛け合わせると、電柱の数は都市部2,400万、田舎に700万、合計で「3,100万」と推定できました。
都市部 | 田舎 | 山林 | |
面積 | 6万km2 | 7万km2 | 25万km2 |
電柱1つ当たりの面積 | 0.0025km2 | 0.01km2 | ー |
電柱の数 | 2,400万 | 700万 | ー |
現実性検証
今回推定した数字を、実際の数字と比べて検証してみましょう。
推定値 | 3,100万 |
実際の値 | 3,600万 |
経済産業省の資料を参照すると、現在日本全国には約3,600万ほど電柱の数があると記載されており、今回推定した数字は実際の数値とニアリーイコールの結果となりました。
電柱1本あたりの面積は平均で0.01km2。電柱の間隔は平均で30~50mだそうで、都市部は50m間隔で電柱が存在するという推定も筋が良かったです。
一方で山林地帯には電柱がないとしましたが、山林部にも電柱は一定数存在しており、余談ですが、所有している土地に電柱があると「電柱敷地料」という名目で1本あたり年間1,500円を電力会社からもらえるらしいです。
そのため投資のために山を購入する方もいるようで新たな勉強になりました。
いかがだったでしょうか。
面積ベースで求める方法もフェルミ推定でよく用いられる方法なので、複数の問題を解いて解き方をマスターしていきましょう!
また、他にもフェルミ推定の例題と解答一覧をまとめておりますので、他の問題に挑戦したい方はぜひ下記のURLから問題を探してみてください!