この記事はこのような疑問を持っている方に向けて書いています。
地頭力を鍛えるためにフェルミ推定の問題を日々解いているのですが、今回は「日本に猫は何匹いる?」という問題を解いてみたので、今回はその解くまでの過程と、実際の猫の数を解説していきます。
フェルミ推定の推定方法や、実際の答え合わせとして活用してみてください!
(実際の答えのみを知りたい方は、目次の「現実性検証」をクリックしてください!)
目次
フェルミ推定の5つのステップ
フェルミ推定は下記5つのステップで解いていきます。それぞれステップ毎に解説していきます。
STEP | 詳細 | |
1 | 前提条件 | 解く問題の前提条件を定義する |
2 | アプローチ設定 | どういったアプローチ方法で数値を推定していくか、基本的な計算式を定義する |
3 | モデル化 | 計算の精度を上げるために、アプローチ設定で定義した計算式を分解する |
4 | 計算実行 | モデル化で分解した計算式で計算をする |
5 | 現実性検証 | 実際の数値と合っているか確認する |
そもそもフェルミ推定のやり方がわからないという方は下記の記事からご覧ください!
前提条件
「猫の数」について、大きく分けて
- 個人で飼育している猫
- 法人(主にペットショップなど)で飼育している猫
の2種類ありますが、今回は「個人で飼育している猫」の総数を推定しようと思います。
アプローチ設定
次にどういったアプローチで計算するか、基本的な式を作ります。
猫は世帯ごとに飼育すると考えられるので、世帯数をベースに考えていきましょう。
その上で猫の飼育数は、日本の世帯数に対し、どのぐらいの割合の世帯がペットを飼っていて、その中でどれぐらい猫を、何匹飼っているか、といったアプローチで解けそうなので、
- 日本の世帯数 × ペット飼育率 × 猫飼育率 × 平均飼育数
で求めることができますね。
この計算式をベースにフェルミ推定を進めていきましょう。
モデル化
アプローチ設定で定義した計算式を、計算の精度を上げるために分解したり、数値を推定していきます。
日本の世帯数
日本の世帯数は「人口 ÷ 1世帯当たりの人数」で求めることができます。
1世帯あたりの人数は都市部と田舎で変わってきそうなので、
- 都市部:6,000万人 ÷ 2人 = 3,000万世帯
- 田舎:6,000万人 ÷ 3人 = 2,000万世帯
として、合計5,000万世帯と推定できました。
ペット飼育率
日本の世帯数のうち何%ペットを飼育しているか、大体3分の1の割合でペットを飼育しているだろうと考えて、ここでは30%と仮定します。
猫飼育率
ペットを飼育している世帯の中で猫を飼育している割合について。
ペットの種類は一般的には犬か猫、そのほか少数派としてうさぎやハムスター、文鳥や爬虫類が挙げられます。
犬や猫が大半であることを考えると、大体平均して下記割合になるだろうと定義し、猫飼育率を40%としました。
- 犬:40%
- 猫:40%
- その他:20%
平均飼育数
猫は2匹以上飼う多頭飼いの世帯が多いということは聞いたことがあったので、2世帯に1世帯が複数猫を飼っていると仮定し「1.5」と仮定します。
計算実行
モデル化で定義した数字を全て掛け合わせると、「900万匹」と推定できました。
日本の世帯数 × ペット飼育率 × 猫飼育率 × 平均飼育数
= 5,000万 × 30% × 40% × 1.5
=900万
現実性検証
今回推定した数字を、実際の数字と比べて検証してみましょう。
猫の飼育頭数 | |
推定値 | 900万匹 |
実際の値 | 894万匹 |
一般社団法人ペットフード協会によると、2021年の猫の飼育頭数は894.6万匹であり、今回推定した値は実際の値とほぼイコールになりました。
猫の飼育率と平均飼育頭数も実際の数字と比べてみたところ、飼育率を若干高めに、平均飼育頭数を低めに推定していたようです。
猫の飼育率 | 平均飼育頭数 | |
推定値 | 12% (※30%×40%) | 1.5 |
実際の値 | 9.8% | 1.66 |
(ちなみに猫の飼育率は11.3%、平均飼育頭数は1.18。やはり猫の方が多頭飼いが多い状況です。)
いかがだったでしょうか。
他にも世帯数ベースで所有するものをフェルミ推定して、地頭力と知識をつけていきましょう!
また、他にもフェルミ推定の例題と解答一覧をまとめておりますので、他の問題に挑戦したい方はぜひ下記のURLから問題を探してみてください!