この記事はこのような疑問を持っている方に向けて書いています。
地頭力を鍛えるためにフェルミ推定の問題を日々解いているのですが、今回は「スターバックスの売上は?」という問題を解いてみたので、今回はその解くまでの過程と、実際のスターバックスの売上を解説していきます。
フェルミ推定の推定方法や、実際の答え合わせとして活用してみてください!
(実際の答えのみを知りたい方は、目次の「現実性検証」をクリックしてください!)
フェルミ推定の5つのステップ
フェルミ推定は下記5つのステップで解いていきます。それぞれステップ毎に解説していきます。
STEP | 詳細 | |
1 | 前提条件 | 解く問題の前提条件を定義する |
2 | アプローチ設定 | どういったアプローチ方法で数値を推定していくか、基本的な計算式を定義する |
3 | モデル化 | 計算の精度を上げるために、アプローチ設定で定義した計算式を分解する |
4 | 計算実行 | モデル化で分解した計算式で計算をする |
5 | 現実性検証 | 実際の数値と合っているか確認する |
そもそもフェルミ推定のやり方がわからないという方は下記の記事からご覧ください!
前提条件
「スターバックスの売上」を今回は、
- 「スターバックス1店鋪当たりの1日の売上高」
として定義し計算しました。
アプローチ設定
次にどういったアプローチで計算するか、基本的な式を作ります。
売上高を求める式は「注文数 × 客単価」で計算することができます。
そのためスターバックスの1日の売上高は
- スターバックスの1日の注文数(来客数) × 客単価
で求めることができますね。
この計算式をベースにフェルミ推定を進めていきましょう。
モデル化
アプローチ設定で定義した計算式を、計算の精度を上げるために分解していきましょう。
スターバックスの1日の注文数 (来客数)
飲食店の注文数(来客数)を求めるには下記のような計算式で求めることができます。
キャパシティ × 稼働率 × 1時間当たりの回転率 × 営業時間
- キャパシティ:文字通り店のキャパシティのこと。座席数やレジの台数など。
- 稼働率:キャパシティが平均どれだけ稼動しているかの割合。例えば座席が10個あり平均で5席はお客さんがいるとすると稼働率は50%。
- 回転率:特定の時間あたり、お客さんがどの程度滞在しているかの割合。例えば平均2時間滞在する場合、1時間当たりの回転率は「1時間 ÷ 2時間 = 0.5」となる。
ここから数字を代入していきましょう。
まずキャパシティです。座席数を用いてもいいのですが、スターバックスはカフェに滞在する以外に、テイクアウトで持ち帰る人も多くいることが考えられます。
そのためスターバックスのレジの台数がどれだけ稼動しているかという考え方で求めた方がテイクアウトの注文数も加味できると考えるため、ここではキャパシティをレジの台数とし、経験則からスタバのレジの台数は「2台」とします。
稼働率は50%、レジの回転率は2分で1人接客するとして、30(60分÷2分)、営業時間は朝7時から夜10時の営業として15時間としましょう。
客単価
スターバックスは
- 通常のコーヒー(400~500円)
- 単価の高いフラペチーノ(600〜800円)
- フードメニュー(300〜500円)
があります。
コーヒーを単品で頼む人(500円)、フラペチーノを単品で頼む人(客単価700円)、フードメニューをセットで頼む人(客単価1,000円)がそれぞれ同じ割合でいるだろうと推定し、客単価は「700円」と置くことにします。
(※実際に時間帯で客単価は変わるため、時間帯別で売上を推定する方法もあります。ここでは割愛していますが、コメダ珈琲の売上を推定する際にその方法を用いて推定しているのでもし良かったら参考にしてみてください)
計算実行
モデル化で定義した数字を全て掛け合わせると、
スターバックスの1日の注文数(来客数) × 客単価
= キャパシティ × 稼働率 × 1時間当たりの回転率 × 営業時間 × 客単価
= 2 × 50% × 30 × 15 × 700
= 315,000
スターバックスの1日の売上は「315,000円」と推定できました。
現実性検証
今回推定した数字を、実際の数字と比べて検証してみましょう。
スターバックスの1日の売上 | |
推定値 | 315,000円 |
実際の値 | 332,000円 |
スターバックスコーヒーの業績・財務ハイライトを参照すると、2014年の売上高が1,256億円、店舗数が1,034店鋪より、1店舗当たりの売上が1.21億であることがわかります。
この年商に日数で割ると「1.21億 ÷ 365日 = 33.2万」ということで、スターバックスの1日の平均売上は33.2万、今回推定した値とニアリーイコールでした。
ある程度数字があってくると気持ちいいですね!
ちなみにコメダ珈琲の1日の平均売上も33.3万円で(比較時期は異なりますが)、カフェ業界の1日の平均売上は30万円前後、年商1億前後ということがわかりました。
いかがだったでしょうか。
慣れてくるとお店一つ当たりの売上も簡単に推定できるようになります。
他にもフェルミ推定の例題と解答一覧をまとめておりますので、他の問題に挑戦したい方はぜひ下記のURLから問題に挑戦してみましょう!