新幹線の車内販売のコーヒーの売上は? 【フェルミ推定】

Aさん
新幹線の車内販売のコーヒーの売上っていくらなんだろう?
Bさん
新幹線の車内販売のコーヒーの売上はフェルミ推定でどうやって求めればいいのかな?

この記事はこのような疑問を持っている方に向けて書いています。

ヒロ
こんにちは!本日も「Boooost」をお読みいただきありがとうございます。運営者のヒロです。

地頭力を鍛えるためにフェルミ推定の問題を日々解いているのですが、今回は「新幹線の車内販売によるコーヒーの売上はいくらか」という問題を解いてみたので、今回はその解くまでの過程と、実際の新幹線の車内販売のコーヒーの売上を解説していきます。

フェルミ推定の推定方法や、実際の答え合わせとして活用してみてください!

フェルミ推定の5つのステップ

フェルミ推定は下記5つのステップで解いていきます。それぞれステップ毎に解説していきます。

STEP 詳細
1  前提条件  解く問題の前提条件を定義する
2  アプローチ設定  基本的な計算式を定義する
3  モデル化  計算の精度を上げるために、アプローチ設定で定義した計算式を分解する
4  計算実行  モデル化で分解した計算式で計算をする
5  現実性検証  実際の数値と合っているか確認する

(出典:現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート

ヒロ

そもそもフェルミ推定のやり方がわからないという方は下記の記事からご覧ください!

フェルミ推定とは?例題と解答でやり方をマスターして地頭力を鍛えよう

 

前提条件

「新幹線の車内販売によるコーヒーの売上はいくらか」を今回は、

  • 「全国の新幹線の車内販売における年間のコーヒーの売上高」

として定義し計算しました。

アプローチ設定

次にどういったアプローチで計算するか、基本的な式を作ります。

売上高の計算になるため、売上高を求める計算式は「注文数 × 単価」です。
そのため、

  • 「新幹線の車内でのコーヒーの注文数 × コーヒーの単価」

という計算式がベースになります。

モデル化

アプローチ設定で定義した計算式を、計算の精度を上げるために分解していきましょう。

新幹線の車内でのコーヒーの注文数は下記のように分解することができます。

「新幹線のべ利用者数(年間) × 車内販売を利用する割合 × コーヒーを注文する割合 × 注文回数 」

それぞれの数値がどの程度になるか推定していきましょう。

新幹線のべ利用者数(年間)

新幹線のべ利用者数は「人口 × 一人あたりの新幹線利用回数/年」で求めることができます。

まずは一人あたりの新幹線利用回数/年を計算してきましょう。

新幹線の利用者数を推定するにあたり、経験則から下記のようなことがいえるかと思います。

  • 30〜50代はビジネスで利用することが多く、特に男性の方が新幹線を利用する回数が多い(月1程度)
  • 新幹線は帰省する際に利用するシーンをよく見かけ、旅行なども含め年間1回は利用するだろう

そこで新幹線ののべ利用者数を「性別 × 年代」で分解し、セグメント毎の利用回数(年間)を定義しました。

0~9歳 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代
男性 1回 1回 4回 12回 12回 12回 4回 1回
女性 1回 1回 2回 4回 4回 4回 2回 1回

次は人口です。
日本はつぼ形の人口ピラミッドになっているため、各年代の人口の割合を下記のように定義します。

年代 割合
 0〜20歳 20%
 21〜40歳 30%
 41〜60歳 30%
 60歳〜 20%

日本の人口は1.2億人なので、上記割合と男女の数は変わらないという前提を元に、各セグメント毎の人口を下記のように定義しました。

0~9歳 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代
男性 600万 600万 900万 900万 900万 900万 600万 600万
女性 600万 600万 900万 900万 900万 900万 600万 600万

よって各セグメント毎の人口と一人当たりの新幹線の利用回数を掛け合わせると、新幹線のべ利用者数(年間)は5.58億と求めることができました。

コーヒーを注文する割合

経験則上、新幹線で飲み物を注文している人はあまり見かけません。
そのため、新幹線を利用する人のうち、車内販売を利用する人を5%、そのうちの半分がコーヒーを注文する人を50%と置くことにします。

注文回数

新幹線に乗車中、複数回注文することはあまり考えられないため、注文回数は1回とします

計算実行

コーヒーの単価を350円として、実際に計算してみましょう。

全国の新幹線の車内販売における年間のコーヒーの売上高 = コーヒーの注文数 × コーヒーの単価

= 新幹線のべ利用者数(年間) × 車内販売を利用する割合 × コーヒーを注文する割合 × 注文回数 × コーヒーの単価

= 5.58億人 × 5% × 50% × 1回 × 350円

48.8億円 

現実性検証

今回推定した数字を、実際の数字と比べて検証してみましょう。

 推定値  48.8億円
 実際の値  28.1億円(※)

推定値は実際の値と比べ、桁数は合っていたものの、約2倍の市場規模として推定してしまいました。

新幹線ののべ利用者数が実際は4.1億人のため、新幹線の利用者数を高めに推定してしまったことが原因かと思います。

また、実際の新幹線の車内販売のコーヒーの注文率は約2%のため、注文率も高めに見積もってしまいました。

いかがだったでしょうか。
新幹線の利用者数も推定することができて、また新たな知見を得ることができました!

この問題は「現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」にも掲載されている問題です。

本は別のアプローチで計算しているのでそちらもぜひ確認してみましょう!

※新幹線の車内販売のコーヒーの売上高 計算方法
東海道新幹線のコーヒーの1日注文数が13,500件、単価が330円と別記事で記載あり。
このデータと、国土交通省が公開している東海道新幹線の1日の平均輸送人数を元にコーヒーの注文率を計算(結果2.1%)。
他の新幹線も同様の注文率、単価として計算すると、年間の売上は合計で約28億円となる。

路線名 一日の平均輸送人数 コーヒーの1日の注文数 年間売上(億円)
 東海道新幹線 657,907 13,500 ¥16.2
 北海道新幹線 4,381 90 ¥0.1
 東北新幹線 243,370 4,994 ¥6.0
 上越新幹線 114,644 2,352 ¥2.8
 北陸新幹線 80,140 1,644 ¥1.9
 九州新幹線 38,284 786 ¥9.4
 合計 1,138,726 23,366 ¥28.1

また、他にもフェルミ推定の例題と解答一覧をまとめておりますので、他の問題に挑戦したい方はぜひ下記のURLから問題に挑戦してみてください!

>> フェルミ推定例題&解答記事一覧へ

出典 / 参考文献