この記事はこのような疑問を持っている方に向けて書いています。
地頭力を鍛えるためにフェルミ推定の問題を日々解いているのですが、今回は「自動車の数は何台?」という問題を解いてみたので、今回はその解くまでの過程と、実際の自動車の数を解説していきます。
フェルミ推定の推定方法や、実際の答え合わせとして活用してみてください!
(実際の答えのみを知りたい方は、目次の「現実性検証」をクリックしてください!)
目次
フェルミ推定の5つのステップ
フェルミ推定は下記5つのステップで解いていきます。それぞれステップ毎に解説していきます。
STEP | 詳細 | |
1 | 前提条件 | 解く問題の前提条件を定義する |
2 | アプローチ設定 | どういったアプローチ方法で数値を推定していくか、基本的な計算式を定義する |
3 | モデル化 | 計算の精度を上げるために、アプローチ設定で定義した計算式を分解する |
4 | 計算実行 | モデル化で分解した計算式で計算をする |
5 | 現実性検証 | 実際の数値と合っているか確認する |
そもそもフェルミ推定のやり方がわからないという方は下記の記事からご覧ください!
前提条件
「自動車の数」を今回は、
- 「日本国内の自動車の数」
として定義し計算しました。
アプローチ設定
次にどういったアプローチで計算するか、基本的な式を作ります。
自転車は世帯ごとに所有すると考えられるので、日本の世帯数に対し、どのぐらいの割合の世帯が、何台自転車を持っているか、といったアプローチで解けそうです。
そのため
- 日本の世帯数 × 自動車保有率 × 自動車の平均保有台数
で求めることができますね。
この計算式をベースにフェルミ推定を進めていきましょう。
モデル化
アプローチ設定で定義した計算式を、計算の精度を上げるために分解していきましょう。
日本の世帯数
日本の世帯数は「人口÷1世帯当たりの人数」で求めることができます。
1世帯あたりの人数は都市部と田舎で変わってきそうなので、
- 都市部:6,000万人 ÷ 2人 = 3,000世帯
- 田舎:6,000万人 ÷ 3人 = 2,000世帯
として、合計5,000万世帯と推定できました。
自動車保有率
日本の世帯数のうち何%保有しているか、だとあまり検討がつかないので、もう少し分解してみましょう。
自動車は高価の高い乗り物なので、年齢が高い世帯の方が保有率が高そうであると考えられます。
また、都市部よりも田舎の方が自動車を保有する割合が高いだろうと推定できます。
そのため、今回は都市部/田舎×年代ごとにどれぐらいの保有率かを推定していこうと思います。
自動車の平均保有台数
これも自動車の保有率と同様に、年齢が高くなるほど保有率が高く、田舎の方が複数持っている世帯が多くなるだろうと推定できます。
数値代入
上記下に、下の表に整理し数字も入れてみました。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | |
都市部 |
||||||
世帯数 | 500万 | 500万 | 500万 | 500万 | 500万 | 500万 |
保有率 | 30% | 50% | 60% | 70% | 40% | 30% |
平均保有台数 | 1.0台 | 1.1台 | 1.2台 | 1.2台 | 1.1台 | 1.0台 |
田舎 |
||||||
世帯数 | 330万 | 330万 | 330万 | 330万 | 330万 | 330万 |
保有率 | 70% | 90% | 90% | 90% | 80% | 60% |
平均保有台数 | 1.2台 | 1.3台 | 1.4台 | 1.4台 | 1.3台 | 1.2台 |
計算実行
モデル化で定義した数字を全て掛け合わせると、「3,600万台」と推定できました。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | |
都市部 |
||||||
世帯数 | 500万 | 500万 | 500万 | 500万 | 500万 | 500万 |
保有率 | 30% | 50% | 60% | 70% | 40% | 30% |
平均保有台数 | 1.0台 | 1.1台 | 1.2台 | 1.2台 | 1.1台 | 1.0台 |
保有数 | 150万 | 275万 | 360万 | 420万 | 220万 | 150万 |
田舎 |
||||||
世帯数 | 330万 | 330万 | 330万 | 330万 | 330万 | 330万 |
保有率 | 70% | 90% | 90% | 90% | 80% | 60% |
平均保有台数 | 1.2台 | 1.3台 | 1.4台 | 1.4台 | 1.3台 | 1.2台 |
保有数 | 277万 | 386万 | 415万 | 415万 | 343万 | 237万 |
現実性検証
今回推定した数字を、実際の数字と比べて検証してみましょう。
自転車の保有台数 | |
推定値 | 3,600万台 |
実際の値 | 6,200万台 |
自動車検査登録情報協会によると、2021年時点で乗用車の保有数は6,200万台であり、桁数は合っていたものの今回推定した値は実際の値よりも半分程度となりました。
現在自動車は日本の人口のうち、2人に1人が使う乗り物なんですね。
自動車の平均保有台数を都道府県別に調べてみると、最も高いのが福井県で「1.7台」。
最も低いのが東京の「0.4台」ですが、ほとんどの都道府県で平均1台保有していることから、保有率、平均保有台数を低めに見積もってしまったことがズレが生じた原因として考えられます。(特に都市部)
▼修正例(下記で2,000万程度誤差あり)▼
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | |
都市部 |
||||||
世帯数 | 500万 | 500万 | 500万 | 500万 | 500万 | 500万 |
保有率 | → 60% |
→ 80% |
→ 80% |
→ 80% |
→ 60% |
→ 50% |
平均保有台数 | 1.0台 | → 1.2台 |
1.2台 | 1.2台 | 1.1台 | 1.0台 |
保有数 | → 300万 |
→ 480万 |
→ 480万 |
→ 480万 |
→ 330万 |
→ 250万 |
田舎 |
||||||
世帯数 | 330万 | 330万 | 330万 | 330万 | 330万 | 330万 |
保有率 | → 90% |
90% | 90% | 90% | 80% | 60% |
平均保有台数 | 1.2台 | → 1.4台 |
1.4台 | 1.4台 | 1.3台 | 1.2台 |
保有数 | → 356万 |
→ 415万 |
415万 | 415万 | 343万 | 237万 |
また、上記のように細かく分解しなくとも、都市部の世帯数は大体1台、田舎は大体1.3台程度持っているだろうと仮定すると、5,600万と推定できることから、もう少しざっくりとした分解でよかったかもしれませんね。
いかがだったでしょうか。
他にも世帯数ベースで所有するものをフェルミ推定して、地頭力と知識をつけていきましょう!
また、他にもフェルミ推定の例題と解答一覧をまとめておりますので、他の問題に挑戦したい方はぜひ下記のURLから問題を探してみてください!