この記事はこのような疑問を持っている方に向けて書いています。
地頭力を鍛えるためにフェルミ推定の問題を日々解いているのですが、今回は「自転車の数は何台?」という問題を解いてみたので、今回はその解くまでの過程と、実際の自転車の数を解説していきます。
フェルミ推定の推定方法や、実際の答え合わせとして活用してみてください!
(実際の答えのみを知りたい方は、目次の「現実性検証」をクリックしてください!)
目次
フェルミ推定の5つのステップ
フェルミ推定は下記5つのステップで解いていきます。それぞれステップ毎に解説していきます。
STEP | 詳細 | |
1 | 前提条件 | 解く問題の前提条件を定義する |
2 | アプローチ設定 | どういったアプローチ方法で数値を推定していくか、基本的な計算式を定義する |
3 | モデル化 | 計算の精度を上げるために、アプローチ設定で定義した計算式を分解する |
4 | 計算実行 | モデル化で分解した計算式で計算をする |
5 | 現実性検証 | 実際の数値と合っているか確認する |
前提条件
「自転車の数」を今回は、
- 「日本国内の自転車の数」
として定義し計算しました。
また、「自転車」の定義ですが、通常の自転車に加え、電動自転車や三輪車なども含めることにします。
アプローチ設定
次にどういったアプローチで計算するか、基本的な式を作ります。
自転車は個人が所有するものなので、人口全体に対し、どのぐらいの割合の人が、何台自転車を持っているか、といったアプローチで解けそうです。
そのため
- 日本の人口 × 自転車保有率 × 自転車の平均保有台数
で求めることができますね。
この計算式をベースにフェルミ推定を進めていきましょう。
モデル化
アプローチ設定で定義した計算式を、計算の精度を上げるために分解していきましょう。
日本の人口
日本の人口は約1.2億人です。
自転車保有率
日本の人口のうち何%保有しているか、だとあまり検討がつかないので、もう少し分解してみましょう。
自転車は通勤・通学などで利用したり、子育てのために利用したりすることが考えられるため、自転車の保有率は年齢によって変わってきそうです。
そのため、今回は年代ごとにどれぐらいの保有率かを推定していこうと思います。
自転車の平均保有台数
自転車を複数台持っている人は経験則的にもほとんどいなそうなので、ここでは「1台」とします。
数値代入
上記下に、下の表に整理し数字も入れてみました。
〜5歳 | 5〜10歳 | 10代 | 20代~50代 | 60代 ~ | |
人口 | 600万 | 600万 | 1,200万 | 6,000万 | 2,400万 |
保有率 | 20% | 50% | 90% | 80% | 50% |
平均保有台数 | 1台 | 1台 | 1台 | 1台 | 1台 |
※保有率ロジック
- 5歳未満:三輪車を持っている子が5人に1人くらいだろうとして20%
- 5〜10歳:自転車に乗り始める人が増える。2人に1台は持っているだろうとして50%
- 10代:通学や移動手段が自転車がメインになる。ほとんどの子が持っているだろうとして90%
- 20代〜50代:10代よりも保有率は減りそうだが、女性は家事や育児に使うとして8割、男性が6割として平均で70%とした
- 60代以上:2人に1台は持っているだろうとして50%
計算実行
モデル化で定義した数字を全て掛け合わせると、「7,530万台」と推定できました。
〜5歳 | 5〜10歳 | 10代 | 20代~50代 | 60代 ~ | |
人口 | 600万 | 600万 | 1,200万 | 6,000万 | 2,400万 |
保有率 | 20% | 50% | 90% | 80% | 50% |
平均保有台数 | 1台 | 1台 | 1台 | 1台 | 1台 |
保有台数 | 150万 | 300万 | 1,080万 | 4,800万 | 1,200万 |
現実性検証
今回推定した数字を、実際の数字と比べて検証してみましょう。
自転車の保有台数 | |
推定値 | 7,530万台 |
実際の値 | 6,870万台 |
国土交通省によると、2019年時点で自転車の保有数は6,870万台であり、今回推定した値とニアリーイコールでした。
現在自転車は日本の人口のうち、2人に1人が使う乗り物なんですね。
ちなみに人口当たり保有台数が最も高いのがオランダでその数は「1.3台」。
オランダは環境問題や自動車事故の課題意識から、世界に先駆けて自転車中心のまちづくりを進めていった結果、現在の普及率になったそうです。
オランダの総理大臣マーク・ルッテさんも自転車通勤しているらしく、オランダ国民の意識や人間性が素敵ですね。
いかがだったでしょうか。
計算式と人口の規模感さえ掴んでいれば、そこまで外さない数字で規模を推定することができます。
他にも自動車など人間が保有するものでフェルミ推定をして、地頭力と知識をつけていきましょう!