- サッカーの試合を分析する方法を勉強したい!
- サッカー観戦をもっと極めたい!
こんな気持ちの方に向けてこのブログを書いています。
僕はプレミアリーグやリーガエスパニョーラをはじめとした海外サッカーを観るのが趣味なのですが、最近はただサッカーを観るのではなく、もっとサッカーの戦術や監督の采配を勉強し、サッカー観戦のレベルを上げていきたいと思っていました。
そこで色々なサッカー観戦にまつわる本を読み漁り勉強をしていたのですが、その中でも一番わかりやすく勉強になったのが、著者らいかーるとさんの「アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます」という本です。
この本に書かれている「試合分析のフレームワーク」を基に、サッカーの試合を観戦したところ、90分を通して両チームの戦い方や戦術、試合の流れなどが段々と理解できるようになってきました。
(まだまだ初心者ですが。。)
そこで今回はこの本に書かれている7つの基礎的な試合分析フレームワークをご紹介するとともに、そのフレームワークを実際の試合(バルセロナ対セルタ)を例に解説していきたいと思います!
皆さんもこのフレームワークを基にサッカーの試合を分析してみてください。
目次
試合分析のフレームワーク
1.選手の配置図を知る
まずはじめにやるべきことは、スタメンの選手の配置を理解することです。
試合開始時の選手の配置はその試合の分析の基準点となり、正しい配置図があれば両チームの選手たちの移動、変化に気付きやすくなります。
そのため、ノートやfootballtacticsを利用して選手の配置をメモしておくのがおすすめです。
この配置図を基にチェックする重要なポイントは下記2つ。
- 普段と同じポジションで起用されているか
- ボール保持・非保持で配置が変化するか
このフレームワークを基に、リーガエスパニョーラ第32節のバルセロナ対セルタを分析してみましょう。
この試合のスタメンの図は下記の通りです。
バルセロナはおなじみの4-3-3のフォーメーションですが、ボランチのブスケッツが出場停止のため、ラキティッチがこのポジションに入っています。
基本的にラキティッチはインサイドハーフで起用されるのが普通なので、このいつもと違う配置には注目しておいたほうがいいですね。
また、左IHに20歳のリキ・プッチが今シーズンリーガエスパニョーラで初スタメンを飾っています。
一方セルタは5-3-2か3-5-2といったやや守備的な配置。
ここでは両ウイングバックがボール保持と非保持の際に、どういったポジションを取るのかが気になりますね。
2.見逃してはいけないキックオフ
続いてキックオフにもチームの戦略を知る重要な手がかりとなります。
例えばキックオフ直後、どのようにボールをつないでいくかでチームのその試合の戦術が見え隠れします。
キックオフ後 | チームの意図 |
ショートパス | ボールをつないで攻めていくことの意思表示 |
ロングパス | 前線の選手にボールを渡し、相手のDFへプレスをかけにく |
バルセロナ対セルタの試合ではバルセロナのキックオフから始まりましたが、キックオフ直後IHのビダルにパスをだし、その後右サイドバックへのセメド、ピケといったパス回しで、丁寧にボールをつないで攻めていくチームの戦術がわかりました。
3.気をつけるべき偽りの序盤戦
キックオフ後は、最初の15分まで試合の配置図を正しいものに修正する作業を行います。
バルセロナがボールを持っている際は、セルタのウイングバックは基本的に最終ラインまで下がり、相手のウイングやサイドバックのケアをしています。
一方バルセロナは基本的にスタメンと同じ配置ですが、右ウイングのメッシが中盤まで降りてきてパスをもらいにいく動きを頻繁に行っていました。
これは前線の選手が中盤の位置まで下がることによって、中盤で数的優位を生み出し、パス回しをしやすくなる効果や、相手選手のDFのマークを撹乱させる効果があります(下図)。
一方でセルタもボールを保持している際はショートパスを中心にゲームを組み立てます。
両ウイングバックがポジションを前に取り、サイドからバルセロナの守備を崩しにいっていました。
特に右サイドのケビンバスケス、ブライスメンデスを中心としたパス交換で、バルセロナの左サイドバックのアルバを狙って攻めにく姿勢は序盤感じられました。
4.局面の繰り返しと内容の評価
15分が過ぎると、大抵の試合は一定の局面の繰り返しになっていきます。
ボールが全く落ち着かないという試合は稀で、以下の2つの展開が一般的な試合傾向です。
- ボールを保持するチームとボールを保持しないチームが交互に変わる
- 一方的に片方のチームがボールを保持するような展開
また、試合内容の良し悪し、評価をするには、「決定機(ゴールが決まりそうだった場面)」を注目するようにしましょう。
そしてその決定機を再現性を持って構築できているかに注目します。
再現性を発見するコツは以下の2つになるそうですが、これを見つけるのが難しいです。
- 相手の配置に対してどのようなルートで前進しているか
- 相手のプレッシングのルールに対してどのように局地戦を攻略しているか
5.移動による変化を見逃さない
必ずどちらかのチームが状況を変えるためには、ある行動・選手の移動を起こします。
- CFが中盤まで降りてくる(ゼロトップ)
- 相手がついてこれない移動をして、移動先で優位性を作る(IHが最終ラインまで落ちる)
- ボランチがセンターバックの間にポジションを下げてビルドアップ
試合分析で最も大事なことは、落ち着いた状態を打開する時や自分たちの内容を改善する時に、両チームが起こす変化に気づくことです。
これは試合解説者の話も聞きながら、試合の変化をいち早く察知し、その変化が試合に与える影響を観察していきましょう。
バルセロナの試合では先ほども触れましたが、右ウイングのメッシが頻繁にポジションを入れ替えます。
中盤でボールを受け試合を組み立て、右サイドのセメドをうまく利用したり、逆サイドのアルバへ展開するなどメッシを起点にバルセロナの攻撃は行われていました。
逆にバルセロナはメッシを経由しないと攻撃が組み立てられないという状況に陥っているように感じられましたが・・・
6.全てを一変させる局面変化
移動による変化が、ある特定の局面における改善・修正だとすると、局面そのものをひっくり返すことで状況改善を狙う作戦もあります。
それが局面変化と呼ばれる手段です。
バルセロナ対セルタでは、1-0で前半バルセロナリードで折り返した後半開始から、基本的に自陣で守備のブロックを作っていたセルタが、バルセロナのディフェンスラインまでプレスをかけ、バルセロナのビルドアップを崩しにいきました。
これによりバルセロナのパスミスが頻繁に起こるようになり、セルタがボールを保持する時間が増えてきます。
そしてこの前線からの積極的なプレスにより、後半4分、ラキティッチの横パスをブライスメンデスがカットしたところから、イアゴアスパスがボールキープ。
それに気を取られたCBのウンティティがアスパスへプレスをかけにいきますが、それによって生まれた裏のスペースへ中盤のヨクスルがうまく飛び出し、アスパスもタイミングよくスルーパスを送りビックチャンス。
抜け出したヨクスルはカバーリングにきたピケを引きつけたのち、中央でフリーになっているスモロフへパス。
スモロフが無人のゴールにボールを流し込み、セルタが後半開始早々ゲームを振り出しに戻しました。
このようにチームの戦術が変わり、それが得点に結びついたシーンを見ると、ただ得点が入った入らないだけでなく、なぜその得点が生まれたかを戦術ベースで理解することができるので、試合観戦が非常に楽しくなります!
7.残り時間とスコアに注意
サッカーには試合時間があるので、その時点での勝敗、残り時間を考慮した上で采配や試合のコントロールをしていかなければなりません。
その状況によって、監督がどのような采配をするのか、試合の攻め方の変化はあったか、選手の配置にどのような変化があったかは、必ず追っていくようにしましょう。
まとめ
今回はサッカー観戦者初心者向けに、著者らいかーるとさんの「アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法教えます」を基に試合分析の7つのフレームワークをまとめました。
- 選手のスタメンの配置図を知る
- キックオフ後の両チームのアクションを観察
- 序盤戦の攻防戦を、選手の配置の変化とともに観察
- 局面の繰り返しを決定機を基に評価
- 選手の移動を分析
- 局面打開する采配を分析
- 残り時間とスコアによる采配を分析
僕もまだまだサッカー観戦初心者ですが、このフレームワークを基に、DAZNのサッカー解説者の話を聞いていると、だんだんどのような流れで試合が進んでいるのか理解できるようになってきました。
皆さんもぜひこのフレームワークを基に、いつもとは違った視点でサッカー観戦をしてみてください!
また、この試合の分析方法はほんの一部分に過ぎないので、ぜひ皆さんもアナリシス・アイを読んでサッカーの戦術分析の幅を広げていきましょう!
こんにちは!ウイイレアプリや海外サッカー観戦が趣味で、ブログ運営者のヒロと申します。